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第一節核燃料物質の使用等に関する規制

(使用の許可)
第五十二条 核燃料物質を使用しようとする者は、政令で定めるところにより、原子力規制委員会の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
  •  製錬事業者が核燃料物質を製錬の事業の用に供する場合
  •  加工事業者が核燃料物質を加工の事業の用に供する場合
  •  試験研究用等原子炉設置者、外国原子力船運航者及び発電用原子炉設置者が核燃料物質を原子炉に燃料として使用する場合
  •  再処理事業者が核燃料物質を再処理の事業の用に供する場合
  •  政令で定める種類及び数量の核燃料物質を使用する場合
 前項の許可を受けようとする者は、次の事項を記載した申請書を原子力規制委員会に提出しなければならない。
  •  氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  •  使用の目的及び方法
  •  核燃料物質の種類
  •  使用の場所
  •  予定使用期間及び年間(予定使用期間が一年に満たない場合にあつては、その予定使用期間)予定使用量
  •  使用済燃料の処分の方法
  •  核燃料物質の使用施設(以下単に「使用施設」という。)の位置、構造及び設備
  •  核燃料物質の貯蔵施設(以下単に「貯蔵施設」という。)の位置、構造及び設備
  •  核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の廃棄施設(以下単に「廃棄施設」という。)の位置、構造及び設備
  •  使用施設、貯蔵施設又は廃棄施設(以下「使用施設等」という。)の保安のための業務に係る品質管理に必要な体制の整備に関する事項
(許可の基準)
第五十三条 原子力規制委員会は、前条第一項の許可の申請があつた場合においては、その申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときでなければ、同項の許可をしてはならない。
  •  核燃料物質が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと。
  •  使用施設等の位置、構造及び設備が核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物による災害の防止上支障がないものとして原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであること。
  •  核燃料物質の使用を適確に行うに足りる技術的能力があること。
  •  前条第二項第十号の体制が原子力規制委員会規則で定める基準に適合するものであること。
(許可の欠格条項)
第五十四条 次の各号のいずれかに該当する者には、第五十二条第一項の許可を与えない。
  •  第五十六条の規定により第五十二条第一項の許可を取り消され、取消しの日から二年を経過していない者
  •  この法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなつた後、二年を経過していない者
  •  心身の故障によりその業務を適確に行うことができない者として原子力規制委員会規則で定める者
  •  法人であつて、その業務を行う役員のうちに前三号のいずれかに該当する者のあるもの
(変更の許可及び届出)
第五十五条 第五十二条第一項の許可を受けた者(以下「使用者」という。)は、同条第二項第二号から第四号まで又は第六号から第十号までに掲げる事項を変更しようとするときは、政令で定めるところにより、原子力規制委員会の許可を受けなければならない。  使用者は、第五十五条の四第一項に規定する場合を除き、第五十二条第二項第一号又は第五号に掲げる事項を変更したときは、変更の日から三十日以内に、その旨を原子力規制委員会に届け出なければならない。  第五十三条の規定は、第一項の許可に準用する。
(使用前検査等)
第五十五条の二 使用者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、設置又は変更の工事をする政令で定める核燃料物質の使用施設等について検査を行い、その結果を記録し、これを保存しなければならない。  前項の検査(次項及び第五十七条第一項において「使用前検査」という。)においては、その使用施設等が次の各号のいずれにも適合していることを確認しなければならない。
  •  その工事が第五十二条第一項若しくは前条第一項の許可を受けたところ又は同条第二項の規定により届け出たところによるものであること。
  •  原子力規制委員会規則で定める技術上の基準に適合するものであること。
 使用者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、使用前検査についての原子力規制検査により使用施設等が前項各号のいずれにも適合していることについて原子力規制委員会の確認を受けた後でなければ、その使用施設等を使用してはならない。ただし、使用施設等の一部が滅失し、若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事を行つた場合その他原子力規制委員会規則で定める場合は、この限りでない。
(合併及び分割)
第五十五条の三 使用者である法人の合併の場合(使用者である法人と使用者でない法人が合併する場合において、使用者である法人が存続するときを除く。)又は分割の場合(当該許可に係る全ての使用施設等並びに核燃料物質及び核燃料物質によつて汚染された物を一体として承継させる場合に限る。)において当該合併又は分割について原子力規制委員会の認可を受けたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割により当該使用施設等並びに核燃料物質及び核燃料物質によつて汚染された物を一体として承継した法人は、使用者の地位を承継する。  第五十三条第一号、第三号及び第四号並びに第五十四条の規定は、前項の認可について準用する。
(相続)
第五十五条の四 使用者について相続があつたときは、相続人は、使用者の地位を承継する。  前項の規定により使用者の地位を承継した相続人は、相続の日から三十日以内に、その事実を証する書面を添えて、その旨を原子力規制委員会に届け出なければならない。
(許可の取消し等)
第五十六条 原子力規制委員会は、使用者が次の各号のいずれかに該当するときは、第五十二条第一項の許可を取り消し、又は一年以内の期間を定めて核燃料物質の使用の停止を命ずることができる。
  •  第五十四条第二号から第四号までのいずれかに該当するに至つたとき。
  •  第五十五条第一項の規定により許可を受けなければならない事項を許可を受けないでしたとき。
  •  第五十六条の四の規定による命令に違反したとき。
  •  第五十七条第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反したとき。
  •  第五十七条の二第一項の規定に違反したとき。
  •  第五十七条の二第二項において準用する第十二条の二第三項の規定による命令に違反したとき。
  •  第五十七条の二第二項において準用する第十二条の二第四項の規定に違反したとき。
  •  第五十七条の三第一項の規定に違反したとき。
  •  第五十七条の三第二項において準用する第十二条の五の規定による命令に違反したとき。
  •  第五十七条の五第一項の規定に違反して核燃料物質の全ての使用を廃止したとき。
  • 十一 第五十七条の五第二項の規定に違反したとき。
  • 十二 第五十八条第二項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反したとき。
  • 十三 第五十九条第二項の規定に違反し、又は同条第四項の規定による命令に違反したとき。
  • 十四 第五十九条の二第二項の規定に違反したとき。
  • 十五 第六十一条の八第一項若しくは第四項の規定に違反し、又は同条第三項の規定による命令に違反したとき。
  • 十六 第六十二条の二第一項又は第二項の条件に違反したとき。
  • 十七 原子力損害の賠償に関する法律第六条の規定に違反したとき。
  • 十八 原子力災害対策特別措置法第七条第四項、第八条第五項、第九条第七項、第十一条第六項又は第十三条の二第二項の規定による命令に違反したとき。
(記録)
第五十六条の二 使用者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、核燃料物質の使用に関し原子力規制委員会規則で定める事項を記録し、これをその工場又は事業所に備えて置かなければならない。
(保安及び特定核燃料物質の防護のために講ずべき措置)
第五十六条の三 使用者は、次の事項について、原子力規制委員会規則で定めるところにより、保安のために必要な措置を講じなければならない。
  •  使用施設等の保全
  •  核燃料物質の使用
  •  核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物の運搬、貯蔵又は廃棄(運搬及び廃棄にあつては、使用施設等を設置した工場又は事業所内の運搬又は廃棄に限る。次条第一項において同じ。)
 使用者は、使用施設等を設置した工場又は事業所において特定核燃料物質を取り扱う場合で政令で定める場合には、原子力規制委員会規則で定めるところにより、防護措置を講じなければならない。
(施設の使用の停止等)
第五十六条の四 原子力規制委員会は、使用施設等の保全、核燃料物質の使用又は核燃料物質若しくは核燃料物質によつて汚染された物の運搬、貯蔵若しくは廃棄に関する措置が前条第一項の規定に基づく原子力規制委員会規則の規定に違反していると認めるときは、その使用者に対し、当該使用施設等の使用の停止、改造、修理又は移転、核燃料物質の使用の方法の指定その他保安のために必要な措置を命ずることができる。  原子力規制委員会は、防護措置が前条第二項の規定に基づく原子力規制委員会規則の規定に違反していると認めるときは、使用者に対し、是正措置等を命ずることができる。
(保安規定)
第五十七条 使用者は、政令で定める核燃料物質を使用する場合においては、原子力規制委員会規則で定めるところにより、保安規定(核燃料物質の取扱いに関する保安教育及び使用前検査についての規定を含む。以下この条において同じ。)を定め、使用施設等の設置の工事に着手する前に、原子力規制委員会の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。  原子力規制委員会は、保安規定が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、前項の認可をしてはならない。
  •  第五十二条第一項若しくは第五十五条第一項の許可を受けたところ又は同条第二項の規定により届け出たところによるものでないこと。
  •  核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物による災害の防止上十分でないものであること。
 原子力規制委員会は、核燃料物質又は核燃料物質によつて汚染された物による災害の防止のため必要があると認めるときは、使用者に対し、保安規定の変更を命ずることができる。  使用者及びその従業者は、保安規定を守らなければならない。
(核物質防護規定)
第五十七条の二 使用者は、第五十六条の三第二項に規定する場合には、原子力規制委員会規則で定めるところにより、核物質防護規定を定め、特定核燃料物質の取扱いを開始する前に、原子力規制委員会の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。  第十二条の二第二項から第四項までの規定は、前項の核物質防護規定について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあるのは「第五十七条の二第一項」と、同条第三項及び第四項中「製錬事業者」とあるのは「使用者」と読み替えるものとする。
(核物質防護管理者)
第五十七条の三 使用者は、第五十六条の三第二項に規定する場合には、特定核燃料物質の防護に関する業務を統一的に管理させるため、原子力規制委員会規則で定めるところにより、特定核燃料物質の取扱い等の知識等について原子力規制委員会規則で定める要件を備える者のうちから、核物質防護管理者を選任しなければならない。  第十二条の三第二項、第十二条の四及び第十二条の五の規定は、前項の核物質防護管理者について準用する。この場合において、これらの規定中「製錬事業者」とあるのは「使用者」と、「製錬施設」とあるのは「使用施設等」と読み替えるものとする。
(廃止措置実施方針)
第五十七条の四 使用者は、政令で定める核燃料物質の使用を開始しようとするときは、使用施設等の解体、核燃料物質の譲渡し、核燃料物質による汚染の除去、核燃料物質によつて汚染された物の廃棄その他の原子力規制委員会規則で定める使用の廃止に伴う措置(以下この節において「廃止措置」という。)を実施するための方針(以下この条において「廃止措置実施方針」という。)を作成し、これを公表しなければならない。  廃止措置実施方針には、廃棄する核燃料物質によつて汚染された物の発生量の見込み、廃止措置に要する費用の見積り及びその資金の調達の方法その他の廃止措置の実施に関し必要な事項を定めなければならない。  使用者は、廃止措置実施方針の変更をしたときは、遅滞なく、変更後の廃止措置実施方針を公表しなければならない。  前三項に定めるもののほか、廃止措置実施方針に関し必要な事項は、原子力規制委員会規則で定める。
(使用の廃止に伴う措置)
第五十七条の五 使用者は、核燃料物質の全ての使用を廃止しようとするときは、廃止措置を講じなければならない。  使用者は、廃止措置を講じようとするときは、あらかじめ、原子力規制委員会規則で定めるところにより、当該廃止措置に関する計画(次条第二項において「廃止措置計画」という。)を定め、原子力規制委員会の認可を受けなければならない。  第十二条の六第三項から第九項までの規定は、使用者の廃止措置について準用する。この場合において、同条第三項中「前項」とあるのは「第五十七条の五第二項」と、同条第四項中「前二項」とあるのは「第五十七条の五第二項及び前項」と、同条第五項及び第六項中「第二項」とあるのは「第五十七条の五第二項」と、同条第九項中「第三条第一項の指定」とあるのは「第五十二条第一項の許可」と読み替えるものとする。
(許可の取消し等に伴う措置)
第五十七条の六 使用者が第五十六条の規定により許可を取り消されたとき、又は使用者が解散し、若しくは死亡した場合において、第五十五条の三第一項若しくは第五十五条の四第一項の規定による承継がなかつたときは、旧使用者等(第五十六条の規定により許可を取り消された使用者又は使用者が解散し、若しくは死亡した場合において、第五十五条の三第一項若しくは第五十五条の四第一項の規定による承継がなかつたときの清算人若しくは破産管財人若しくは相続人に代わつて相続財産を管理する者をいう。以下同じ。)は、第五十六条の二から第五十七条の三までの規定(これらの規定に係る罰則を含む。)の適用については、第四項において準用する第十二条の七第九項の規定による確認を受けるまでの間は、なお使用者とみなす。  旧使用者等は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、廃止措置計画を定め、第五十六条の規定により使用者としての許可を取り消された日又は使用者の解散若しくは死亡の日から原子力規制委員会規則で定める期間内に原子力規制委員会に認可の申請をしなければならない。  旧使用者等は、前項の認可を受けるまでの間は、廃止措置を講じてはならない。  第十二条の七第四項から第九項までの規定は、旧使用者等の廃止措置について準用する。この場合において、これらの規定中「第二項」とあるのは「第五十七条の六第二項」と読み替えるほか、同条第五項中「前条第四項」とあるのは「第五十七条の五第三項において準用する前条第四項」と、同条第九項中「前条第八項」とあるのは「第五十七条の五第三項において準用する前条第八項」と読み替えるものとする。

第二節核原料物質の使用に関する規制

第五十七条の七 核原料物質を使用しようとする者は、政令で定めるところにより、あらかじめ原子力規制委員会に届け出なければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
  •  製錬事業者が核原料物質を製錬の事業の用に供する場合
  •  第六十一条の三第一項の許可を受けた者(第六十一条において「国際規制物資使用者」という。)が国際規制物資である核原料物質を当該許可を受けた使用の目的に使用する場合
  •  放射能濃度又は含有するウラン若しくはトリウムの数量が政令で定める限度を超えない核原料物質を使用する場合
 前項の規定により届出をしようとする者は、次に掲げる事項を記載した届出書を原子力規制委員会に提出しなければならない。
  •  氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
  •  使用の目的及び方法
  •  核原料物質の種類
  •  使用の場所
  •  予定使用期間及び年間(予定使用期間が一年に満たない場合にあつては、その予定使用期間)の予定使用量
  •  核原料物質の使用に係る施設の位置、構造及び設備の概要
 第一項の規定による届出をした者(以下「核原料物質使用者」という。)は、前項各号に掲げる事項を変更したときは、遅滞なく、政令で定めるところにより、原子力規制委員会に届け出なければならない。  核原料物質を使用する者は、核原料物質の使用(第一項第一号又は第三号に該当する使用を除く。次項及び次条において同じ。)については、原子力規制委員会規則で定める技術上の基準に従つてしなければならない。  原子力規制委員会は、核原料物質の使用について前項の技術上の基準に適合していないと認めるときは、当該核原料物質を使用する者に対し、その技術上の基準に適合するように是正すべきことを命ずることができる。  核原料物質使用者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、核原料物質の使用に関し原子力規制委員会規則で定める事項を記録し、これをその工場又は事業所に備えて置かなければならない。  核原料物質使用者は、当該届出に係る核原料物質の全ての使用を廃止したときは、原子力規制委員会規則で定めるところにより、その旨を原子力規制委員会に届け出なければならない。  核原料物質使用者が解散し、又は死亡したときは、その清算人、破産管財人若しくは合併後存続し、若しくは合併により設立された法人の代表者若しくは分割により核原料物質の使用に係る施設若しくは核原料物質を承継した法人の代表者又は相続人若しくは相続人に代わつて相続財産を管理する者は、原子力規制委員会規則で定めるところにより、その旨を原子力規制委員会に届け出なければならない。